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宮城・研究者「九条の会」
連絡先:
◆発足の経過◆
宮城・研究者「九条の会」は、全国の「九条の会」や「九条科学者の会」の呼びかけに応え、宮城県内の研究者(大学院生を含む)の良心を結集する場として、個別大学を横断した形で、62名の呼びかけ人によって2005年12月11日に発足しました。現在は、呼びかけ人66名、賛同者87名となっています。
◆組織と運営◆
本会は、2名の代表者(志村憲助東北大学名誉教授・広中俊雄東北大学名誉教授)のもと、5名の事務局員によって組織されています。日常的な運営は、大体
1ヶ月に1回程度不定期に開催される事務局会議で行われています。
財政は、発足に際して広く寄付を募り、幸い呼びかけ人・賛同者の方々から多くのご協力をいただくことができましたので、これを基礎としつつ、さらに集会をもつごとに参加者に寄付をお願いするなどして運営しています。
◆これまでの活動◆
会の主たる活動は講演会・学習会で、これまで下記の通りの活動をいたしました。
1 発足集会(05/12/11)
第1部 10分間憲法トーク
(1) 浅野富美枝氏(家族社会学、宮城学院女子大学)
(2) 刈田啓史郎氏(生理学、元東北大学)
(3) 関本英太郎氏(メディア論、東北大学)
第2部 記念講演
広中俊雄氏(民法・法社会学、東北大学名誉教授)
「戦争放棄の思想―憲法九条を考える視点―」
なお、この広中氏の記念講演録は、日本評論社刊『法律時報』78巻9号(2006年8月)に掲載され、また、10分間憲法トークを含めた発足集会の全記録を、「みやぎ憲法九条の会」が刊行している「みやぎ憲法ブックレット」の3として、『戦争放棄の根本思想は何か』という書名で2007年6月に刊行しました。
2 討論会(「みやぎ2006市民の憲法行事」参加企画(06/6/18))
「憲法九条は『理想主義』か?―藤原帰一氏の主張(『朝日新聞』2006年1月6日付)を素材として―」
問題提起
(1) 新免 貢氏(宗教学、宮城学院女子大学)
「伝統主義的プロテスタント保守集団に広範囲に見られるキリスト教原理主義」
(2) 山岸喜久治氏(憲法学、宮城学院女子大学)
「ドイツの平和命令条項と日本の憲法第9条」
3 発足1周年記念集会(07/3/3)
第1部 記念講演
日野秀逸氏(医学・経済学、東北大学)
「日本の医療と9条と25条」
第2部 シンポジウム
「学生をまじえて語る核・戦争・九条」
問題提起 学部の学生さん
3名
田中煕巳氏(日本原水爆被害者団体協議会事務局長)
4 講演会(「みやぎ2007市民の憲法行事」参加企画)(07/6/2)
宮脇弘幸氏(宮城学院女子大学)
「日本による植民地支配と『皇民化』教育―その方策・実態・結果―」
これらの集会案内や県内・全国の九条の会の動きなどを、ニュースとして発行し(現在5号まで発行)、呼びかけ人・賛同者・寄付者の皆さんに郵送しています。
◆活動上、工夫した点や教訓◆
本会の呼びかけ人・賛同者の皆さんには、現役を退いた方々も多く参加して下さっていますが、それに比べて現役の参加者が必ずしも十分でないという問題点があります。いずこの大学も同様でしょうが、現役の研究者はますます多忙になっており、日々の研究・教育で手一杯という状態が、このような問題を生み出している1原因かもしれません。これから、現役の教員にいかに参加を働きかけていくかが重要です。
また、同時に問題なのは、9条に対する学部段階の学生さんの関心があまり高くないのではないか、ということです。宮城県では、学生さん独自に「九条の会」を結成するところまでは至っていないのが現状です。
そのため、本会が集会等をもつ際には、努めて学生さんの参加を呼びかけており、その成果が少しずつではありますが現れているように思います。
◆今後の活動計画◆
上記のブックレットを刊行してその普及に努めて以降、事務局事務担当者(吉田)の個人的多忙・怠慢のため、活動が停滞しています。そこで、2008年は、これまで名誉教授クラスの方で構成されていた事務局員の若返りを図り、現役教員4名が事務局を担っていくこととしました。また、事務局のもとに企画委員会を設け、そこには大学院生の方に入っていただいて、斬新な企画を立ててもらうことも考えています。
財政的にも2回目の活動資金の醵金を呼びかけ人・賛同者の皆さんにお願いして、一定の資金を確保できましたので、とくに現役教員・大学院生へ賛同者を拡げつつ、今後具体的に活動の強化を図る予定です。
全国のさまざまな九条の会の活動に学びつつ、九条を守るための運動に少しでも貢献できるよう、今後とも地道に活動を継続していきたいと思います。