大学人九条の会沖縄

 

連絡先:

 

◆結成の経過◆

 いまもなお米軍基地が集中する沖縄では、基地被害や米軍関連の事件・事故などが紙面などで日々、伝えられている。そういう状況におかれている沖縄は、憲法「改正」への動きに、どうしても敏感にならざるを得ない。憲法「改正」によって沖縄の基地が半永久的に固定化されるのではないか、沖縄の基地被害などの現実を変えていく武器としての憲法9条、それを失うことが沖縄にとってどういう結果をもたらすのか、そういう危機意識と平和への想いから、憲法「改正」の問題点や憲法9条の大切さを伝えていこう、そういう問題意識を持つ者たちが集まり、大学人九条の会沖縄は、約20人の設立発起人によって200649日に結成しました。09年1月現在、琉球大学、沖縄国際大学、沖縄大学、沖縄キリスト教短期大学、名桜大学などに会員がいます。

 

◆組織と運営◆

琉球大学に事務局をおき、4人の事務局(会員)をおいている以外には何も組織・機構らしいものはありません。事務局会議は適宜開催とし、定例化はしていません。普段の連絡・意思疎通はほとんどメーリングリストで行っています。財政はシンポジウムの資料費やブックレット発行の収入、およびカンパを集めます。

学習会が開催される際にはメーリングリストでお知らせしたりします。

大型の企画を組む際にはビラや新聞等で案内を出します。

 

◆これまでの活動◆

(1)シンポジウム

基本的には各大学の教員を中心に、専門分野と関わらせながら「憲法九条をまもるため」を副題にして、テーマとした問題の本質に迫ろうという意気込みで企画をたてた。また、沖縄の各地域で活動されている9条の会との連携も重視してシンポジウムを開催した。本会は、これらのシンポジウムに向けて企画会議を開き、会員等から意見を募るという活動をベースにして動いている。

 

第1回 「改憲論とオキナワ―憲法九条をまもるために―」〔沖縄国際大学 (06/04/25)〕

 平和憲法の歴史や自衛隊の歴史を踏まえて、沖縄という地から憲法を考える視点や国民投票法案の問題点を学生・市民とともに考えていこうとした。

第2回 「教育基本法『改正』と改憲論―憲法九条をまもるために―」〔沖縄国際大学06/04/25)〕

中村文子さんから戦前の教育の状況を話していただき、また、現在の教育現場の状況を教職員組合の方から報告を受けながら、教育基本法の「改正」が憲法九条「改正」問題に、どのようなインパクトを与えるのか、その問題点を考えた。

第3回 「米軍再編と憲法『改正』―憲法九条をまもるために」〔沖縄国際大学06/10/21)〕

米軍再編が憲法「改正」問題と、どのように連動し、また、それが沖縄にとって、どのような意味をもってくるのか、さらに、沖縄は、どのような対応をするべきなのかを考えた。

第4回 「石垣から憲法を考える―憲法九条をまもるために―」〔石垣市07/02/03)〕

  平和憲法の意義を石垣島という地から考えてみた。また、国民保護法や教育基本法「改正」の動向と問題点を議論した。

第5回 「新保守主義の動向と沖縄―憲法九条をまもるために」〔那覇市(07/04/07)〕

本会の結成一周年記念シンポジウムという位置づけでもあったが、渡辺治氏(一橋大学)をお招きして基本講演を行っていただいた。その後、沖縄の視点を踏まえたパネルディスカッションを行った。

第6回 「海自派遣の正統性を問う」〔琉球大学07/04/07)〕

  海上自衛隊が普天間代替施設・環境現状調査に協力しているという報道をきっかけとして、その政治的意味や法的根拠からの問題点、さらに辺野古の状況を報告してもらい、その後、議論した。

第7回 「〈民意〉はどこにあるのか―憲法九条をまもるために―」〔名護市(07/11/23)〕

  保守系の市長や知事が選挙で勝つたびに、沖縄は基地を受け入れた、そういう報道がなされる。本当にそうなのか。1997年市民投票からちょうど10年がたち、10年前の市民投票運動の原点に立ち返って「民意」とは何かをキーワードにして、辺野古の基地問題を素材にしながら考えてみた。

第8回 「憲法を守り、どういかしていくか―憲法九条と自衛隊を考える」

〔宮古島市(08/07/13)〕

  宮古島で現在問題になっている自衛隊誘致問題を主な素材として、憲法九条と自衛隊について、議論した。

 

(2)その他

@シンポジウムの成果をブックレットとして2冊公刊した。第1号は、第1回と第2回のシンポジウムを、第2号は第5回のシンポジウムをまとめたものである。

   A勉強会なども行っています。

 

◆活動上、工夫した点や教訓◆

沖縄では米軍基地に起因する事件・事故が多発している。そういう中で、各方面の専門分野(政治学、教育行政、法律学その他)の視点から、問題の本質に迫る企画を立てて、 同時に、「憲法九条の重みと、それを守り抜くことの大切さ」を理解し、運動の輪を広げる活動を意識している。そのために、大学の中だけでなく、地域にでてシンポジウムを他の九条の会等の助けをかりながら行ってきた。憲法九条を守る運動として、その地域の九条の会との連携がとても大切であることを知った(九条を守る運動とネットワークの大切さ)。

 

◆今後の活動計画◆

6月末頃にシンポジウムを開催したいと考えていて、その準備をしています。