九条科学者の会・事務局
連絡先:〒113-0034 東京都文京区湯島1−9−15
茶州ビル9階
E-mail:
FAX:03-3811-8320、郵便振替口座:00100-3-500621 九条科学者の会
◆発足の経過◆
2004年6月に大江健三郎氏、加藤周一氏、小田実氏ら9人による「九条の会」アピールが発表されました。このアピールに科学者・研究者の分野から答えられないかと考えた数名の研究者が中心となって呼びかけて、196人の発起人によって2005年3月13日、本会は発足しました。
◆組織構成と運営方法◆
本会はアピール賛同人で構成され、3名の共同代表(片平洌彦、小森陽一、渡辺治)と事務局(数名)を持ちます。
事務局会議は毎月1回開催しています。恒常的には5〜8人が出席しています。
総会に準ずるものとして毎年3月に「発足記念の集い」を開催しています。
財政は賛同者からの募金で成り立っています。
◆2008年3月までの活動◆
A.発足記念の集い
○発足の集い(2005.3.13) 参加者119人
記念講演:奥平康弘氏(九条の会呼びかけ人、憲法学者)
「いま日本国憲法について何が論ぜられるべきか」
他にアピール、発言、行動提起など。
○発足1周年記念の集い(2006.3.12) 参加者132人
記念講演:小森陽一氏(本会発起人、「九条の会」事務局長、東京大学教授)
「憲法を守る運動の到達点と今後の課題」
他に事務局報告、運動交流報告、行動提起など。
○発足2周年記念の集い(2007.3.11) 参加者106人
記念講演:笹本潤氏(日本国際法律家協会 事務局長)
「グローバル9条キャンペーンと憲法9条の普遍性」
他に事務局報告、各地活動の報告・交流、2007年度の活動方針、集会アピールなど。
○発足3周年記念の集い(2008.3.9) 参加者 81人
記念講演:沢田昭二さん(名古屋大学名誉教授・物理学)
「核兵器廃絶と憲法9条」
他に事務局報告、各地の活動報告・交流、2008年度の活動方針、集会アピールなど。
B.論説発表(3本)
○No.1(2005.10)渡辺治(一橋大学教授)「9.11総選挙の結果と憲法改悪」
○No.2(2006.3)隅野隆徳(専修大学名誉教授)「「憲法改正国民投票法案」批判」
○No.3(2006.4)五十嵐仁(法政大学大原社会問題研究所教授)「いま、なぜ、「活憲」なのか」
C.声明発表(談話、要請、アピールなど18本)
○2006.2.20 事務局長談話「憲法改悪のための国民投票法案に強く反対する」
○2006.5.9 事務局長談話「「戦争に協力する国民」の育成を目指す教育基本法「改正」案に抗議し、その廃案を強く求める」
○2006.9.11 事務局長談話「安倍内閣官房長官の「集団的自衛権」容認発言の撤回を強く求める」
○2006.9.25 東京都知事、東京都教育長宛要請書「東京地裁の「日の丸・君が代強制違憲判決」に服し、控訴断念と「10・23通達」撤回を強く求めます」
○2006.10.12 事務局長談話「北朝鮮の核開発中止と6カ国協議復帰、そして核兵器の全面禁止の国際協定締結を強く求める」
○2006.11.15 事務局長談話「自衛隊の海外派兵を「本来任務」化し、海外での戦争参加に道をひらく「防衛庁『省』昇格法案」に強く反対する」
○2006.11.16 河野洋平衆議院議長宛要請書「教育基本法『改正』案を委員会に差し戻し、審議を尽くすことを強く求める」
○2006.12.03 参議院教基法特別委員会 委員宛緊急要請書「教育をめぐる数多くの問題について、審議を尽くすことを求めます。審議打ち切り、採決には強く強く反対します!」
○2007.1.05 事務局長談話「教育基本法改悪に強く抗議し、改憲阻止国民運動の飛躍的発展をはかろう」る」
○2006.11.15 事務局長談話「自衛隊の海外派兵を「本来任務」化し、海外での戦争参加に道をひらく「防衛庁『省』昇格法案」に強く反対する」
○2006.11.16 河野洋平衆議院議長宛要請書「教育基本法『改正』案を委員会に差し戻し、審議を尽くすことを強く求める」
○2006.12.03 参議院教基法特別委員会 委員宛緊急要請書「教育をめぐる数多くの問題について、審議を尽くすことを求めます。審議打ち切り、採決には強く強く反対します!」
○2007.1.05 事務局長談話「教育基本法改悪に強く抗議し、改憲阻止国民運動の飛躍的発展をはかろう」
○2007.3.11 発足2周年記念の集い・アピール「私たちは、憲法改悪のための非民主的な「国民投票法案」に強く反対します」
○2007.4.19 事務局長談話「改憲手続き法案の衆議院強行採決に強く抗議し、参議院での徹底審議と廃案を求める」
○2007.5.17 事務局長談話「不公正・非民主的な「国民投票(改憲手続き)」法の強行成立に強く抗議し、憲法改悪反対の国民的運動を推進しよう」
○2007.11.06 事務局長談話「補給支援活動特措法案(新テロ対策法案)および自衛隊海外派遣の「恒久化」法案策定に強く反対する」
○2008.1.25 事務局長談話「「新テロ特措法」(給油支援法)の「再議決」による成立に強く抗議し、自衛隊を恒久的に海外に派遣する「恒久法」(一般法)制定に強く反対する」
◆この1年間の取り組み(2008年3月〜2009年2月)◆
○「九条世界会議」への参加
2008年5月4〜5日、「九条世界会議」の展示ブースにて、九条科学者の会・事務局と「日本国憲法9条を世界平和の規範に」アピールの有志(落合滋子さん)との共同で出店。
○「大学九条の会・東京連絡会」への協力
2008年3月に発足した東京における大学・研究所関係者の九条の会の連絡会(詳細は本資料集参照)。同会が主催した3回の交流会に参加・協力。
○首都圏の学生九条の会の大集会 第2回Peace
Night 9 への協力
首都圏学生九条の会主催の企画(詳細は本資料集参照)。大学教員などへの宣伝に協力。
○九条の会・第3回全国交流集会の開催・運営への協力
運営委員会に参加し、当日も会場要員を出して開催・運営に協力した。
○大学・研究所関係者の九条運動をより一層広げるための模索
私大教連絡(全国・東京)が九条運動に積極的な方針を出していると聞き、懇談をして、お互いの連絡を取り合うことを確認した。
◆賛同署名について◆
2005年3月の発足から2008年12月31日までに寄せられた賛同署名数は総計3097になりました。この1年間の新たな賛同者は234人で、内102人の方からメッセージが寄せられました。
署名の伸びは、とりわけ昨年に大きく落ち込んでいます。
下表は2008年12月31日における都道府県別賛同署名者数です。全ての都道府県で人口1万人にひとりの賛同者が得られれば1万人達成は可能です。引き続き賛同署名の拡大に取り組んでいます。ご協力をお願いいたします。
都道府県別賛同者数(2008.12.31現在)
北海道 173 青森 23 岩手 26 宮城 88 秋田 13
山形 34 福島 15 茨城 80 栃木 38 群馬 36
埼玉 160 千葉 105 東京 861 神奈川 231 新潟 31
山梨 16 長野 43 富山 17 石川 19 福井 11
岐阜 29 静岡 42 愛知 136 三重 20 滋賀 58
京都 205 大阪 125 兵庫 88 奈良 22 和歌山 6
鳥取 7 島根 6 岡山 34 広島 27 山口 20
徳島 19 香川 8 愛媛 10 高知 9 福岡 103
佐賀 17 長崎 11 熊本 14 大分 13 宮崎 11
鹿児島 18 沖縄 24 外国 4 不明 1 合計 3097
◆大学等における活動経験交流資料集◆
全国の科学者・研究者・大学研究者が取り組んでいる九条の会のネットワークをつくり、活動交流を進めたいと考えて、発足1周年記念の集いに際して、各地の会に呼びかけて活動経験交流資料集の編纂を行いました。以降、毎年の集いで改訂版を発行し、2008年はホームページへの掲載も行いました。各年の掲載数は下記のとおりです。実際に活動している九条の会は2倍以上あると思われます。また新しい会も次々に誕生しています。年間を通して情報の更新を図っていきます。
掲載件数 2006年 20 2007年 21 2008年 28 2009年 38
◆2008年財政報告◆
2008年1月1日から12月31日までの1年間の収入は1,741,682円、支出は1,389,113円、収支は352,569円のプラスとなりました。収入のほとんどは寄付で385件1,741,500円でした。繰越残高は847,721円となりました。
摘要
収入 寄付 1,741,500 寄付385件(通算1887件)
雑収入 182 利子
合計 1,741,682
支出 資料費 10,980 九条の会ポスター、リーフレット他
人件費 419,080 事務作業費(印刷、発送等)
情報通信費 143,576 電話料、サーバ利用料
送金手数料 41,910 振込手数料
送料 336,980 メール便、郵便切手等
交通費 総務交通費
印刷費 96,489 印刷費、コピー費
消耗品費 147,028 印刷用紙、封筒、文具等
備品費 パソコン、電話機
集会費 133,500 記念集会開催
共同費 59,170 協力費、共催費
雑費 400
合計 1,389,113
収支 352,569
繰越額 847,721
繰越内訳 現金 110,503
郵便振替口座 506,498
銀行預金 230,720
会の財政は賛同者の方々の寄付によって維持されています。本年もまた寄付をお寄せください。
郵便振替口座記号・番号 00100-3-500621 加入者名 九条科学者の会
◆2009年度の活動方針◆
1 目標1万名を目指し、創意工夫して賛同署名に取り組みます。
賛同署名は本会の出発点であると同時に、「九条を守れ」の声が科学者・研究者の分野でのどこまで広がっているのか、その到達点を一目で表す指標ともなりうるものです。現在の停滞状況に甘んじず、なんとかして再び勢いを取り戻すよう創意工夫をして署名運動に取り組みます。
2 「7つの行動提起」に沿って研究者らしい幅広い運動を広げます。
「九条を守れ」の声を科学者・研究者の分野で広げるために、ひとりひとりが自分のいる職場・地域などで「7つの行動提起」(下記※を参照)に沿った研究者らしい運動を広げます。
3 いろいろなレベルで連絡会・連絡網体制をつくり相互の協力関係を築きます。
それぞれの職場・地域などでの活動が活力を保ち、増殖していくために、都道府県・地域・全国など様々なレベルで連絡会・連絡網体制をつくって経験交流、相互協力、共同企画などを進めていきます。事務局としても活発に活動している全国各地の会がお互いに直接連絡がとれるよう、全国的連絡網づくりに積極的な役割を果たします。
4 研究者の幅広い結集のために学問分野ごとの運動にも取り組みます。
学問分野ごとのつながりは研究者固有の領域です。ここで運動を広げることには独特の難しさがありますが、九条を守る運動に科学者・研究者として関わる意味に立ち返るなら、また研究者の中に本当に幅広い運動を広げるためには、やはりこのつながりの中でどのように運動を進めるかを避けて通ることはできません。そのための新しい一歩を丁寧さや工夫をもって進めていきます。
5 九条を守るために取り組まれている様々な企画・活動に協力します。
他分野の九条の会の活動、九条の会以外の活動にも、「九条を守れ」の一点で一致し協力していきます。
6 改憲発議が可能となる2010年5月に向けて、わたしたち科学者・研究者の九条への思いを国民に発信するために、創意ある取り組みを行います。
※7つの行動提起(2006.3.12「発足1周年記念の集い」で採択)
1.日本国憲法の改悪を阻止し、平和と民主主義を確立するため、科学者・研究者が旗幟を鮮明にして、良心を社会に示し、平和と民主主義を守る国民運動を強めていきましょう。
2.「九条の会アピールへの賛同署名」をさらに大きく広げていきましょう。自分が所属する大学・研究所や、専門分野の友人・知人に賛同を働きかけましょう。
3.諸団体が主催する講演会、シンポジウム等にも積極的に参加していきましょう。さまざまな分野の知識人・文化人・芸術家・宗教者などとの連帯活動を深めていきましょう。
4.個人で出来る活動に創意を発揮し、人々の目に見える活動をしましょう。例えば、友人への手紙、憲法グッズ普及、車等へのステッカー張り、自宅・居住地での九条ポスター張りなど、さまざまな活動があります。「地域九条の会」等での講師などにも積極的に名乗り出ていきましょう。
5.賛同署名運動を契機に、各大学・研究所・地域毎に、多様な形態で「九条の会」を作りましょう。宣伝・組織活動を強めましょう。「九条科学者の会」のホームページを活用し、運動の経験交流を全国規模で深めていきましょう
6.科学者・研究者にふさわしい理論・実践活動を展開し、その成果を多くの人に知らせましょう。
7.次の世代を創る主体は若者です。院生・学生への働きかけや、若者達の自主活動を積極的に支援しましょう。若者の新鮮な感性、エネルギーを運動に取り入れ、運動に「新しい風」を吹かせましょう。